日本人の約3割が花粉症といわれており、もはや国民病といっても過言ではありません。その症状や原因物質、治療法について説明します。
花粉症の原因
花粉症は、植物の花粉が体内に侵入することで起こるアレルギー反応です。アレルギーの原因となる植物は人によって異なります。日本ではスギやヒノキ、イネ、ブタクサなどが主な原因植物として挙げられます。それぞれ花粉の飛散時期が異なるため、花粉症は季節性アレルギー性鼻炎ともいわれています。

花粉症の症状
花粉症の主な症状は、くしゃみ・鼻水・鼻づまりなどの鼻炎症状、目のかゆみ・充血などの結膜炎症状があります。
症状の強さには個人差があり、かぜ様の微熱や頭痛などを伴うこともあります。
アレルゲンである花粉を体内から排出しようとくしゃみや鼻水が多くなり、鼻づまりになると、口呼吸になりかぜにかかりやすくなります。
花粉症の治療
内服薬(抗ヒスタミン薬)での症状緩和が中心となります。症状の強さにあわせて、眠くなりにくいお薬もお勧めできます。アレルギーの薬は様々な種類があり、過去の効果や眠気などの副作用も人それぞれです。これまでに内服したことのあるお薬の名前がわかれば、次の一手の参考になりますので、ぜひお薬手帳やメモなどをお持ちください。
的確な花粉症の治療のために(第2版)https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000077514.pdf
アレルギー検査のすすめ
アレルギー症状の原因となるアレルゲンは、花粉以外にもハウスダスト・食べ物・金属など様々です。原因物質を避けることで、アレルギー症状を予防できるようになります。場合によってはアナフィラキシーショックなど命の危険を伴う反応を引き起こすこともあるため、アレルギー検査で原因物質を知ることはとても重要なことです。
減感作療法
まずは内服薬や点眼・点鼻などの外用薬を用いた治療が行われることが多いですが、これらは対症療法のため効果が不十分であることも。眠気などの副作用で服用を控えている方もいるでしょう。
こうした場合には、「減感作療法」という治療法を検討します。減感作療法は抗原特異的免疫療法とも呼ばれており、アレルギーを根本から治療する方法です。皆さんの体内にアレルギーの原因となるアレルゲンを少量ずつ投与することで、身体をアレルゲンに慣らしていく方法です。アレルゲンを有害な物質であると間違わないように認識を正すことで、免疫の過剰反応を抑える効果が期待できます。
減感作療法には舌下免疫療法や皮下注射免疫療法などがありますが、当院では安全性を考え舌下免疫療法のみを取り扱います。在庫状況によっては投薬できない場合もありますので一度ご相談ください