睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が一時的に止まることを繰り返す病気です。
のどの筋肉がゆるみ、気道がふさがることが原因です。この状態が10秒以上続くと「閉塞型無呼吸」と言います。
他にも脳からの呼吸刺激が不安定になることで発症する「中枢型無呼吸」があり、その多くは脳の病気や心不全などに合併します。
日本人の数%、実に200万人以上いるといわれており、決してまれな病気ではありませんが、適切な診断と治療を受けられていない実態があります。
症状
いびき
夜間のトイレ回数が多い
日中の強い眠気(居眠り運転など)
頭痛・集中力の低下
気分の落ち込み など
また、無呼吸を放置すると、高血圧に数倍かかりやすく、さらに脳卒中や心臓病にも数倍かかりやすくなるそうです。症状に気づかずに心臓病を発症してから睡眠時無呼吸と診断されることも少なくありません。
ご家族・ご友人からいびきや無呼吸を指摘されたら早目の相談をおすすめします。

リスク因子
一番の要因は肥満とされてきましたが、最近ではやせている方にも多く見られることがわかっています。高血圧・糖尿病・喫煙・アルコール摂取・加齢などが睡眠時無呼吸症候群のリスクを高める可能性があります。


診断
まずはご自宅でできる簡易的な無呼吸モニターを用いて血中酸素濃度と呼吸の状態を測定します。
当院からも貸し出し検査可能ですのでご相談ください。
結果に異常があれば連携医療機関において一泊入院の精密検査;ポリソムノグラフィ(PSG)を手配します。
治療
生活習慣の改善
口腔内装置(マウスピースなど)の使用
手術
持続陽圧呼吸療法;CPAP
生活習慣の改善としては、適切な体重管理・禁煙・適度な飲酒習慣(就寝前の飲酒をさけること)・睡眠導入剤の使用を控えること・健康的な食事、定期的な運動などがあります。
閉塞型無呼吸の場合には横向きに寝ることで症状緩和につながることもあります。
鼻や口の中に変形・異常がある場合には耳鼻咽喉科や口腔外科に相談をする場合があります。
当院でのおすすめはCPAP療法です。専用の圧力マスクを装着し、睡眠中に空気の圧力をかけることで気道閉塞を予防し、無呼吸を減らす効果が実証されています。中等度以上(無呼吸の回数や自覚する症状によって)の方は定期的な受診をすることで保険が適応になりますので高価な機械代金の負担はありません。



まとめ
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠の質を低下させ日常生活に影響を及ぼすだけでなく、心臓病や脳卒中のリスクも高めます。早期発見と適切な治療により、これらのリスクを軽減することが可能です。この情報が皆様の健康管理に役立てば幸いです。ご質問がありましたらお問い合わせください。